以前の記事で、地域工務店で家を建てるメリット、デメリットをお伝えしました。
地域工務店で家を堪えるデメリットとして、そもそも「地域工務店は探しにくい」ことを挙げました。
私は地域工務店で家づくり(私の場合は中古住宅を買ってリフォーム)をしましたが、私は仕事柄、多くの地域工務店を知っており、それぞれの特徴を把握していましたので、その中から自分が求める家づくりに合った工務店を探すことは難しくありませんでした。
一方で、多くの方はそういった情報に接する機会は少ないのではないかと思います。
そこで、ここでは、地域工務店の情報を収集する方法をまとめていきます。
自治体の情報を使う
自治体によっては、地域工務店を紹介する制度を持っていたりします。
その目的としてよくあるのは「地域産材の活用」です。
いわゆる林業振興の一環です。
大手ハウスメーカーが主に使用するのは「輸入材」ですから、大手ハウスメーカーで家を建てても林業振興には繋がりません。
地域産材を活用して住宅を建てるのは、地域工務店です。
地域工務店を応援することで林業振興につなげようという考えです。
例えば、次のような自治体で実施しています。
- 岩手県「
いわて森の棟梁」 - 宮城県「
みやぎ版住宅」 - 富山県「
とやまの木で家づくり応援工務店」 - 石川県「
県産材建築ビルダー」 - 兵庫県「
ひょうご木の匠登録工務店」 - 和歌山県「
紀州材の家づくり協力店」 - 鹿児島県「
かごしま緑の工務店」
これらの自治体の情報には、それぞれの工務店の特徴が掲載されている場合もありますし、各工務店のウェブサイトにリンクが貼ってある場合もあるので、そこから地域工務店の情報を取得することができます。
Googleさんで検索する
Googleさんで例えば「○○県 工務店」で検索しても、検索結果として出てくる情報は、大手ハウスメーカーかフランチャイズ型のハウスメーカーばかりです。
しかし、ここで注目して欲しいのは、検索結果が2つくらい表示された後にある地図です。
そこに、近くの工務店が表示されており、その工務店のウェブサイトのリンクが貼られています。
この検索結果に表示される工務店の中には大手ハウスメーカーやフランチャイズ型のハウスメーカーである可能性はありますが、それは会社名やウェブサイトを見れば分かります。
ウェブサイトを見ればその工務店の特徴が分かりますし、見学会などの情報も掲載されている場合もありますので、実際にその工務店が建てた家を見に行くこともできます。
また、家を建てる場合は、施工者と頻繁に打ち合わせをする必要がありますので、近くの工務店であることに越したことはありません。
地域型住宅グリーン化事業採択グループから探す
地域型住宅グリーン化事業とは、国の補助制度(令和5年度で終了)です。
地域型住宅グリーン化事業とは、地域における木造住宅の関連事業者が「グループ」をつくり、省エネルギー性能や耐久性等に優れた木造住宅・木造建築物の整備及び木造住宅の省エネ改修を促進し、これと併せて行う三世代同居への対応等に対して支援する事業です。
https://chiiki-grn.kennetserve.jp/
補助制度は残念ながら終わってしまいましたが、この補助制度を活用できるのは地域工務店を含むグループであり、補助事業のホームページで近くの工務店を探すことができます。
地域工務店の情報は掘り起こさないと出てこない
大手ハウスメーカーやフランチャイズ型のハウスメーカーは、広告に多くのお金をかけていますので、目につきやすいです。
一方で地域工務店の情報は、そういった情報に埋もれてしまい、なかなか表に出てきません。
簡単にはめぐり合えないかもしれませんが、ご紹介した方法を使って、自分に合った地域工務店を根気よく探してください。
とある北寄りの地方で、建築職の地方公務員として20年以上の勤務経験があります。
住宅の性能に着目した家づくりの重要性についてお伝えしています。
【保有資格:一級建築士・(特定)建築基準適合判定資格者】