最もコスパのいい「家の形」とは【家の形で建設費が変わる】

最もコスパのいい「家の形」とは【家の形で建設費が変わる】

家の形はいろいろあります。

平屋で上下の移動がない家は、年を取ってからも安心して住めます。

一方で、吹き抜けがある解放感のあるリビングは気持ちいいですよね。

それでは、同じ仕様・同じ面積で住宅を建てようとした場合、最も合理的な形=「コスパのいい家の形」はどんな形でしょうか。

【結論】総2階建て

結論は、一般的な面積の住宅では、総2階建てです。

面積が大きい大豪邸であれば変わってきますが、一般的な住宅であれば総2階建てです。

総2階建てとは、120㎡の住宅だとすると、1階が60㎡、2階が60㎡の同じ面積の住宅です。

その理由は次のとおりです。

  1. 建設コストが小さい
  2. 省エネ効率が高い
  3. 耐震性能を確保しやすい

それでは順番に解説していきます。

建設コストが小さい

平屋建てと2階建てを比較

同じ面積の住宅を建てる場合、平屋建てと2階建てでは平屋建ての方が、建設コストが高いです。

それはなぜか。

構造材の量はほぼ同じです。

壁の面積は、2面分、2階建ての方が面積が大きくなります。

一方で、屋根と基礎の面積は、平屋建ての方が2階建てよりも大きくなります。

外壁よりも屋根と基礎を作る方が高いですから、住宅を建てるコストは平屋建ての方が2階建てのよりも高くなります。

2階建てと3階建てを比較

3階建ての場合は、屋根と基礎の面積は小さくなりますが、階段が増えること等による部材の量が増加すること、構造的により強靭なものにする必要があることや耐火性能を向上させなければならないなどのコストがかかります。

3階建て以上の場合、2階建て以下と比べて建設コストが大きく変わりますので、一般的な住宅で3階建ては考え難いです。

総2階建てと一部2階建てを比較

同じ2階建てでも、総2階建てと、一部を2階建てにする場合があります。

例)120㎡の住宅であれば…

  • 総2階建て→1階:60㎡ 2階:60㎡
  • 一部2階建ての例→1階:80㎡ 2階:40㎡

この例の場合、総2階建ての場合は、基礎と屋根の面積はどちらも60㎡ですが、一部2階建ての場合は80㎡になり、基礎と屋根の面積が大きくなります。

よって、総2階建てが最も建設コストが安くなります。

省エネ効率が高い

住宅に限らず、建築物の省エネ性能は、外部に接する面積が少ないほど高率がよくなります。

外部に接する面積とは、屋根、外壁、外気に接する床のことを言います。

ちなみに、基礎に接する床は、基礎断熱であれば直接外気に接しませんし、床断熱であっても基礎を介して外気に接する形となりますが、室内よりも熱負荷がかかりますので、ここでは外気に接するものとして取り扱います。

平屋建てと2階建てを比較

平屋建てと2階建てでは、外壁の長さは平屋建ての方が小さいですね。

一方で、屋根と基礎に接する床の面積は、平屋建ての方が大きくなります。

トータルで見ると、外部に接する面積は、2階建ての方が小さくなりますので、2階建ての方が省エネ効率が高い形と言えます。

総2階建てと一部2階建てを比較

総2階建てと一部2階建ての外部に接する面積は、建設コストの比較で触れたように、屋根と基礎の面積が総2階建ての方が小さいです。

よって、総2階建ての方が省エネ効率が高い形と言えます。

耐震性能を確保しやすい

耐震性能は、建物が軽いほど、また、形が単純なほど確保しやすくなります。

平屋建てと2階建ての比較

耐震性能的には、平屋建ての方が有利です。

平屋建ては建物が支える重量は1層分ですが、2階建ての1階は2層分の重量を支えることになるからです。

耐震性能的には平屋建てが最も有利です。

総2階建てと一部2階建ての比較

総2階建ては、一つの箱として考えることができます。

一方で、一部2階建ての場合は、1階だけの部分と2階建ての部分がありますので、そこで地震に対する挙動が変わってきます。

また、壁は1階と2階で連続している方が耐震的に有利です。

総2階建ては、外壁の下は外壁なので、壁を連続させることが比較的容易です。

一方で、一部2階建ての場合は外壁の下が内壁になる場合もありますので、プランによっては壁を連続させられないこともあります。

これらのことから、総2階建ての方が耐震性能を確保しやすいです。

まとめ

平屋建て一部2階建て総2階建て3階建て以上
建設コスト
省エネ性能
耐震性能
総合判定
(3 / 5.0)
(4 / 5.0)
(5 / 5.0)
(1 / 5.0)
ハゲカケ
ハゲカケ

この結果は、「総2階建てが最もコスパがいい」ということを示したに過ぎません。

家の形は、コスパだけでは決まりません。

敷地や周辺環境、生活スタイルなどによって、家の形は変わってきますので、ひとつの参考として捉えてください。