窓から差し込む自然光や風景は、私たちの住空間を明るく彩ります。しかし、時には外部の光や視線を制御し、プライバシーを確保したいときもあるでしょう。
プライバシーを確保する方法としては、従来カーテンが主な選択肢でしたが、最近、ロールスクリーンを選択する方も増えています。
本記事では、ロールスクリーンの利点と考慮すべき注意点を解説します。
まず、ロールスクリーンの主なメリットに焦点を当てます。
紫外線カットや遮光性能など、ロールスクリーンがどのように室内の快適性を向上させるのかについて詳しく説明します。
また、プライバシーの確保やインテリアへの適合性など、ロールスクリーンの選択によるさまざまな利点についても触れます。
一方で、ロールスクリーンには考慮すべきデメリットも存在することも忘れてはいけません。
完全な遮光が難しい場合や、サイズや取り付けの制約による注意点、そしてメンテナンスや清掃に関連する情報など、ロールスクリーンを選ぶ際に留意すべきポイントを詳細に解説します。
一言でロールスクリーンと言っても、さまざまな種類があります。
遮光ロールスクリーン、シースルーロールスクリーン、防虫ロールスクリーンなど、さまざまなタイプが存在し、それぞれの特徴や利用シーンについて詳しく解説します。
この記事を読むことで、皆様がより良いロールスクリーンの選択ができるようになり、快適な生活をより一層楽しんでいただけることを願っています。
ロールスクリーンのメリット|プライバシーとスタイルの最適な組み合わせ
ロールスクリーンは、カーテンに代わる窓を覆うための便利でスタイリッシュなオプションです。幅広い用途に適しており、さまざまなメリットを提供しています。
以下では、カーテンと比較しながらロールスクリーンの主なメリットについて解説します。
1.簡易な操作によるプライバシーと光の制御
ロールスクリーンは、室内のプライバシーと光の制御をサポートします。
ロールスクリーンは、外部からの視線を遮りプライバシーを確保すると共に、日差しを調整して室内の明るさをコントロールできます。
「それはカーテンも同じでは?」と思うかもしれません。実は、機能としてはロールスクリーンとカーテンは同じですが、操作性が違います。
カーテンは片側または両側に引く必要があります。大きな窓では移動する必要もあるでしょう。
一方で、ロールスクリーンはコードやチェーンを引くのみです。より簡易な操作により目的を果たせます。
2. スタイリッシュなデザインと調和性
ロールスクリーンは、シンプルかつスタイリッシュなデザインで、さまざまなインテリアに調和します。
カーテンと最も異なる点は、開けた時の存在感です。カーテンは両側にまとめられた布が存在感を放ちます。一方で、ロールカーテンは窓の上部に丸まって格納されるため、存在感がなく、スタイリッシュな印象を与えます。
少し前までは、ロールカーテンの生地のデザインはあまり多くありませんでしたが、現在は多様なカラーや素材、透明度のオプションが存在し、自分の好みに合わせてカスタマイズすることができます。
窓の周りをきれいにまとめることで、部屋全体の雰囲気を引き立てます。
3. 耐久性とメンテナンス性
ロールスクリーンの生地は薄いため、耐久性を心配するかもしれませんが、カーテンと比較して劣ることはありません。むしろ、カーテンよりも生地のバリエーションが豊富で汚れにくい素材も選択でき、メンテナンス性にも優れています。
ただし、ひどい汚れが付いた場合のメンテナンス性はカーテンに分があります。生地を洗濯できるロールカーテンもありますが、取り外しや再取り付けにコツが必要です。頻繁に洗濯をしたい場合はカーテンの方が良いでしょう。
ロールスクリーンの注意点と解決策|デメリットへの対処法
ロールスクリーンは、プライバシーとスタイルを両立する優れたシェードのひとつですが、いくつかのデメリットや注意点も存在します。以下に、ロールスクリーンに関するデメリットとその解決策について説明します。
1. 日焼けや劣化のリスク
直射日光や紫外線は、ロールスクリーンの生地を劣化させる可能性があります。特に長時間日光にさらされる場合や高品質でない生地を使用した場合は、色あせや破れのリスクが高まります。
解決策
高品質なUVカット素材のロールスクリーンを選ぶことで、日焼けや劣化を防ぐことができます。また、直射日光が当たらない時間帯やプライバシーの確保が必要がない場合は、ロールスクリーンを開けることにより、劣化を防止することができます。
2. 完全な遮光が難しい
ロールスクリーンは、一部の光や視線を遮ることができますが、生地によっては室内の影が映ったり、光を透過する場合があります。
また、窓枠の内側にロールスクリーンを設置した場合は、どうしても窓枠との隙間が生じますので、完全に遮光することができません。
解決策
寝室など遮光性を高めたい場合は、ロールスクリーンの生地に遮光タイプを使用しましょう。また、設置方法にも注意が必要です。一般的に、窓枠の外側に設置した方が窓全体をロールスクリーンが覆いますので遮光性が高まります。
3. 掃除やメンテナンスの手間
ロールスクリーンは、生地を外して洗濯するのが困難です。生地を洗濯できる製品もありますが、外し方を間違って壊してしまったり、生地の再取り付けができなくなってしまう場合があります。
この点はカーテンと比較した場合の明確なデメリットです。
解決策
基本的にロールスクリーンの生地は外さない前提で考えましょう。汚れにくい生地や、汚れても簡単に拭き取れる生地を選定するのがおすすめです。どうしても外して洗濯したい場合は、必ず洗濯できる生地を選び、メーカーの説明書をよく確認して取り外し・再設置しましょう。
ロールスクリーンの種類から選ぶ|シーン別おすすめ
ロールスクリーンには、豊富な種類が存在し、その中から最適なものを選ぶことは、初めての方にとっては少し難しいかもしれません。ここでは、ロールスクリーンの種類についてシーン別におすすめのタイプをご紹介します。
1. 寝室などプライベートを守りたい
寝室などのプライベートを守りたい空間におすすめなのは、遮光タイプのロールスクリーンです。遮光タイプは、その名の通り光を遮断する特性を持っています。
遮光タイプは外部の明かりや日射を遮断しますので、寝室に使用すれば良質な睡眠環境をつくることができるでしょう。
また、外から見て室内の影が映りませんので、道路から見える窓面などに使用するのが効果的です。
2.朝日や西日が強い窓面
強い日射が入って来る窓面には、遮熱タイプのロールスクリーンがおすすめです。遮熱タイプは真夏の厳しい太陽光を反射してくれますので、冷房負荷の低減にも役立ちます。
遮熱タイプのものは光を通さないイメージがあるかもしれませんが、シースルーのものもありますので、部屋の用途に応じて選定できます。
3.水が掛かったり湿気が多い場所に
お風呂や洗面所など、水が掛かったり湿気が多い場所に普通の生地のロールスクリーンを設置すると、カビが発生するなど衛生面が心配になります。
そういった場所には、耐水設計のロールスクリーンが適しています。生地がはっ水加工されていますので、水を弾いてくれます。
4.光は取り入れたいけど目隠しもしたい
リビングやダイニングなど長い時間を過ごす場所は、光は取り入れたいけど目隠しもしたいという場合があるでしょう。
そういった場所には調光タイプのロールカーテンがおすすめです。前後2枚のボーダー生地をスライドさせることで光の量を細かくコントロールできます。
まとめ
ロールスクリーンはそのシンプルなデザインと使いやすさが魅力で、様々な状況に適しています。目的に応じてさまざまな生地を選択できますが、完全な遮光やメンテナンス性など一部のデメリットも存在します。
自分のライフスタイルや好みに合わせ、メリットとデメリットをバランスよく検討して、理想の窓辺を演出しましょう。
とある北寄りの地方で、建築職の地方公務員として20年以上の勤務経験があります。
住宅の性能に着目した家づくりの重要性についてお伝えしています。
【保有資格:一級建築士・(特定)建築基準適合判定資格者】