確認申請について、建築主事又は指定確認検査機関に申請することは、以前解説しました。
では、申請を受ける建築主事若しくは指定確認検査機関の審査員はどんな人なのでしょうか。
それでは、まずは建築主事とはどういう人かを解説していきます。
建築主事の定義は、建築基準法第4条にあります。
(建築主事)
第四条 政令で指定する人口二十五万以上の市は、その長の指揮監督の下に、第六条第一項の規定による確認に関する事務をつかさどらせるために、建築主事を置かなければならない。
2 市町村(前項の市を除く。)は、その長の指揮監督の下に、第六条第一項の規定による確認に関する事務をつかさどらせるために、建築主事を置くことができる。
3 市町村は、前項の規定により建築主事を置こうとする場合においては、あらかじめ、その設置について、都道府県知事に協議しなければならない。
4 市町村が前項の規定により協議して建築主事を置くときは、当該市町村の長は、建築主事が置かれる日の三十日前までにその旨を公示し、かつ、これを都道府県知事に通知しなければならない。
5 都道府県は、都道府県知事の指揮監督の下に、第一項又は第二項の規定によつて建築主事を置いた市町村(第九十七条の二を除き、以下「建築主事を置く市町村」という。)の区域外における建築物に係る第六条第一項の規定による確認に関する事務をつかさどらせるために、建築主事を置かなければならない。
6 第一項、第二項及び前項の建築主事は、市町村又は都道府県の職員で第七十七条の五十八第一項の登録を受けた者のうちから、それぞれ市町村の長又は都道府県知事が命ずる。
7 特定行政庁は、その所轄区域を分けて、その区域を所管する建築主事を指定することができる。
つまるところ、建築主事とは、自治体の職員の中から任命された有資格者です。
建築主事がどういう自治体に置かれているかというと次のとおりです。
- 人口25万人以上の市(義務)
- その他建築主事の設置を希望する市町村(任意)
- 建築主事を置かない市町村が1以上ある都道府県(義務)
ちなみに、建築主事を置いている自治体のことを「特定行政庁」と言います。
なお、一部の建築物についてのみ事務を行う建築主事を置く市町村もあります(法第97条の2)。
この権限が限定された建築主事を置く市町村は「限定特定行政庁」と呼ばれます。
また、特別区にも事務が限定された建築主事が設置されます(法第97条の3)。
建築主事に任命される人がどういう人かというと、法第4条第6項で、「法第77条の58第1項の登録を受けた者=建築基準適合判定資格者」ということになります。
建築基準適合判定資格者とは、一級建築士であって建築基準適合判定資格者検定に合格した者が登録することができる資格です。
次に、指定確認検査機関はどうでしょうか。
指定確認検査機関が確認検査を行う場合は、確認検査員に確認検査を実施させなければならないとされています(法第77条の24第1項)。
確認検査員とは、法第77条の58第1項の登録を受けた者のうちから選任することとされている(法第77条の24第2項)ことから、建築主事と同じく建築基準適合判定資格者であることが分かります。
確認申請の審査は、一級建築士であって、さらに審査に関する検定に合格した者が行っています。
いわば審査のプロです。
設計者は設計のプロですが、法律のチェック漏れがあることがそれなりにあるというのが実態です。
それを確認申請という手続きで適法性を担保しています。
とある北寄りの地方で、建築職の地方公務員として20年以上の勤務経験があります。
住宅の性能に着目した家づくりの重要性についてお伝えしています。
【保有資格:一級建築士・(特定)建築基準適合判定資格者】