最近、地球温暖化だけではなく、燃料価格の高騰、電力需給のひっ迫などから、住宅の省エネ性能への注目度が高まっています。
現時点(2024年1月)では住宅の省エネ性能は義務化されていませんが、2025年までに義務化されることが予定されています。
一方で、省エネ性能にはレベルがあります。
現時点においても、義務化はされていませんが住宅の省エネ基準はあります。
2025年に義務化されるのは現行の省エネ基準になると思いますが、その基準は最低限の基準であり、これから家を建てようとするのであれば、それよりも上の基準を目指すことをおすすめします。
省エネ性能のレベルについては、こちらの記事をご覧ください。
今回比較するハウスメーカー15社一覧
さて、家を建てようとしたときに、多くの方が選択肢としているのが「ハウスメーカーに依頼する」方法です。
それでは、ハウスメーカーの住宅は、どのレベルの省エネ性能なのでしょうか。
今回は、大手ハウスメーカー15社について比較していきたいと思います。
- 三井ホーム
- アエラホーム
- 大和ハウス
- ヤマダホームズ
- イシンホーム
- クレバリーホーム
- アイフルホーム
- スウェーデンハウス
- 北洲ハウジング
- 住友林業
- ミサワホーム
- 一条工務店
- タマホーム
- セキスイハイム
- 積水ハウス
なお、ここでは、ハウスメーカーがホームページで公表している商品のうち、最も高い省エネ性能の商品についてご紹介します。
省エネ性能は、断熱性能を示すUA値と、一次エネルギー消費量を示すBEI値で判断しますが、BEI値は設備の性能も関係しますので、今回はUA値で比較します。
ハウスメーカー別UA値
ハウスメーカー別に、ホームページでの掲載内容を元に、断熱性能の値であるUA値(外皮平均熱還流率)をまとめます。
UA値は、小さい値の方が断熱性能が高いということです。
なお、屋根や壁の断熱材の厚さが同じでも、熱損失が大きい開口部(窓やドアなど)が多くなるとUA値は大きくなります。
よって、ハウスメーカーがホームページで記載している値は、ハウスメーカーが設定する標準プランのものであり、必ずしも皆さんが建てようとする住宅がその値になる訳ではないことに注意が必要です。
ハウスメーカー | UA値 | 商品名 |
三井ホーム | 不明(標準仕様でZEH基準をクリアとの記載) | ― |
アエラホーム | 0.34 | CLARGE G-Classe |
大和ハウス | 不明(ZEH基準をクリアとの記載) | xevoΣ PREMIUM |
ヤマダホームズ | 不明(ZEH基準との記載) | YAMADAスマートハウス |
イシンホーム | 不明 | |
クレバリーホーム | 0.26 | ENELITE THERMO |
アイフルホーム | 0.20(HEAT20-G3) | すごい家(寒冷地仕様) |
スウェーデンハウス | 0.28(モデルプランでの試算) | 強化断熱仕様(オプション) |
北洲ハウジング | 0.31 | |
住友林業 | 0.46~0.56 | |
ミサワホーム | 不明(ZEH~LCCMまで対応との記載) | |
一条工務店 | 0.25(モデルプランでの試算) | i-smart |
タマホーム | 不明(長期優良住宅に標準仕様で対応との記載) | 大地の家[1・2地域] |
セキスイハイム | 断熱等級6(5~7地域で2階建て以下)を標準化との記載 | |
積水ハウス | 不明(新築戸建住宅のZEH比率92%達成の記載) |
ハウスメーカー断熱性能No.1は「アイフルホームのすごい家」
ホームページに掲載されている情報だけを見ると、「アイフルホーム」の「すごい家(寒冷地仕様)」が最も断熱性能が高そうですね。
ただ、繰返しになりますが、ハウスメーカーが設定する標準プランのものであり、必ずしも皆さんが建てようとする住宅がその値になる訳ではないことに注意が必要です。
皆さんが建てようとするプランによっては、他社の方が断熱性能が高いということもあります。
また、ここで注意して欲しいのが、カタログなどで、例えば「ZEH基準適合」とか「断熱等級6」などと記載されていても、お住いの地域のレベルの基準に適合していない場合があります。
省エネ基準は地域によって異なります。
多くの場合は、東京などの大都市が含まれる「5~7地域」を基準に表記していますので、それ以外の地域でどのレベルに適合するかは確認する必要があります。
とある北寄りの地方で、建築職の地方公務員として20年以上の勤務経験があります。
住宅の性能に着目した家づくりの重要性についてお伝えしています。
【保有資格:一級建築士・(特定)建築基準適合判定資格者】