令和7年4月1日から、建築基準法第6条の区分の変更を含む改正建築基準法が施行されます。建築基準法第6条では、これまで建築物を第1号から第4号までの4つに区分していましたが、第1号から第3号の3つの区分に見直されます。
これに伴い、改正後の第2号建築物(新第2号建築物)は、構造に関係なく、階数が2以上又は延べ面積200㎡を超えるものとなります。つまり、一般的な2階建ての木造戸建て住宅は新第2号建築物に該当することとなります。
建築基準法第6条の見直しの詳細はこちらの記事をご覧ください。
そして、もう一つ重要なことは、新第2号建築物について大規模の修繕又は大規模の模様替えを行う場合は、確認申請を要するということです。
それでは、令和7年4月1日以降は、一般的な2階建ての木造戸建て住宅について、屋根の葺き替えや外壁の張り替えを行う場合は確認申請が必要となるのでしょうか。
【結論】屋根の葺き替えや外壁の張替は大規模の修繕・模様替えに該当しない
早速結論ですが、屋根の葺き替えや外壁の張り替えは大規模の修繕・模様替えに該当しません。
このような工事をするのに確認申請が必要となると、円滑な住宅ストックの維持管理に支障が出てしまいます。
また、省エネ改修を行う場合は、屋根の葺き替えや外壁の張り替えを要する場合もあり、省エネ改修の促進にも影響が出てしまいます。
このことから、国土交通省では、令和6年2月8日付け国住指第355号(屋根及び外壁の改修に関する建築基準法上の取扱いについて)にて、都道府県あて通知を行い、大規模の修繕・模様替えについて取扱いを示しています。
令和6年2月8日付け国住指第355号の概要
1.屋根の改修
次に該当する行為は大規模の修繕又は大規模の模様替えには該当しない。
- 屋根ふき材のみの改修を行う行為
- いわゆるカバー工法による改修(従前どおり)
2.外壁の改修
次に該当する行為は大規模の修繕又は大規模の模様替えには該当しない。
- 外壁の外装材のみの改修等を行う行為(ただし、外壁材の改修が外壁の全ての材を改修することになる場合を除く)
- 外壁の内側から断熱改修等を行う行為
- 既存の外壁に新しい仕上材をかぶせる工法による改修等
まとめ
一般的に行われる屋根の葺き替え工事や外壁の張り替え工事は、大規模の修繕又は大規模の模様替えに該当しないことが分かりました。
この取り扱いにより、住宅の省エネ化やメンテナンスがしやすくなったと言えます。
適切に住宅を維持管理して、快適に過ごしましょう。
とある北寄りの地方で、建築職の地方公務員として20年以上の勤務経験があります。
住宅の性能に着目した家づくりの重要性についてお伝えしています。
【保有資格:一級建築士・(特定)建築基準適合判定資格者】