別の記事で、ハゲカケらんなーこと私の自宅の省エネ性能を、国立研究開発法人建築研究所が開発したWEBシステム(エネルギー消費性能計算プログラム)を使用して、算定しました。
最初に外皮面積を使用しない最も簡易な方法で算定した際の数値は次のとおりでした。
- UA値:0.53
- BEI値:0.86
私の居住地は3地域になりますので、UA値(断熱性能)でいくと、現行省エネ基準(0.56)以上ZEH基準(0.50)未満の数字となっています。
次に、外皮面積を算出して算定した際の数値は次のとおりでした。
- UA値:0.41
- BEI値:0.83
このUA値は、HEAT20のG1基準(UA値:0.38)に迫る断熱性能になります。
それでは、G1基準相当の断熱性能を有する住宅では、具体的にどのような室温で、どれくらいの光熱費がかかっているのでしょうか。
今回は、2021.12~2022.3の冬季間の状況をお伝えします。
同じ断熱性能でも、住宅の広さ、間取及び住まい方によって、必ずしも同じ室温、高熱費で生活できるとは限りませんので、ご注意ください。
ハゲカケらんなー邸の基本スペック
まずは、ハゲカケらんなー邸の基本スペックを確認していきます。
- 木造2階建て
- 延べ床面積 約90㎡
- UA値:0.41
- 3地域
- 暖房:エアコン1台+オイルヒーター1台(+補助暖房としてペレットストーブ)
- 冷房:エアコン1台
- 給湯:潜熱回収型ガス給湯機【エコジョーズ】(追い炊き機能あり)
- 照明:全室LED照明
- 換気:壁付け式第3種換気
ハゲカケらんなー邸の暖房スタイル
主暖房は、リビングの寒冷地用エアコン1台とダイニングキッチンのオイルヒーター1台です。
各部屋のドアは開け放しています。
エアコンは暖房で木造12畳用、オイルヒーターは鉄筋コンクリート造10畳用のものになります。
この2台で、家全体の暖を取っています。
基本的に、エアコンとオイルヒーターは24時間稼働。
エアコンの設定温度は22℃、オイルヒーターは18℃に設定。
※オイルヒーターは、2021.12~2022.1までは夜間の温度を下げていましたが、2022.2以降は18℃設定で24時間稼働にしています。
土日に家にいる場合で、特に寒い日は、補助的にペレットストーブをつけていました。
2021~2022冬シーズンの室温の状況
室温は、スイッチボットの温湿度計をダイニングキッチンと寝室に設置し、測定しました。
温湿度計を購入した2021.12から2022.3までの室温の状況が次のグラフになります。
ダイニングの室温は、2022.1までは、オイルヒーターの温度設定を夜間に下げていましたので室温にバラつきがありましたが、2022.2以降は室温が安定しています。
冬季間通してのダイニングの室温の平均は17.4℃で、2022.2以降の平均は18.8℃でした。
一方で、寝室は、真下のリビングに設置しているエアコンが24時間稼働しているので、室温はある程度安定しています。
冬季間通しての寝室の室温の平均は、20.3℃でした。
2021~2022冬シーズンの暖房費
主暖房として使用しているのはエアコンとオイルヒーターですので、電気料金及び使用量についてお伝えします。
ただし、電気は暖房だけではなく調理等にも使用しますので、参考として、暖冷房をあまり使用しない4月、5月の電気料金についても併せて記載します。
電気料金(円) | 電気使用量(kwh) | |
2021.12 | 25,806 | 804 |
2022.1 | 31,965 | 976 |
2022.2 | 28,690 | 852 |
2022.3 | 25,059 | 729 |
2022.4(参考) | 10,820 | 322 |
2022.5(参考) | 7,353 | 213 |
2022.5と単純に比較すると、暖房費で約18,000円~2,5000円/月程度、電気使用量としては500kwh~800kwh/月程度使用していることになります。
まとめ
G1水準相当の住宅の暖房費について、ハゲカケらんなー邸の状況をお伝えしました。
3地域以南の場合は、人がいる居室だけを暖房する間歇(かんけつ)暖房の場合が多いと思いますので、その場合はもう少し暖房費を下げることができるかもしれません。
ただし、高断熱住宅のメリットは、住宅内の室温に差が出ないようにすることにあります。
「住宅全体を温めるのに必要な暖房費としてこの程度かかる」という風に見て頂ければと思います。
もちろん、住宅の広さや天井高さ、間取の状況によって異なりますので、あくまで参考として見て頂ければと思います。
とある北寄りの地方で、建築職の地方公務員として20年以上の勤務経験があります。
住宅の性能に着目した家づくりの重要性についてお伝えしています。
【保有資格:一級建築士・(特定)建築基準適合判定資格者】